またな
仕事始めに電話が鳴った。
慌てて出たら上長に声が似ていて挨拶したら去年亡くなったヤツの弟くんからだった。
今新聞見たんですけど、ハタさんが亡くなったみたいです
何を話したか覚えてはいないが、通夜と告別式の日程を聞き、今日明日では仕事のはかどり具合からは出かけるのは厳しいように感じ、行けたらまた連絡するといった気がする。
現実感のなさから呆然としながら手を動かしていると今度は別の友人から連絡がある
ハタさんのことか?
そうだと、いわれる。行くのは難しいかもしれないと応えて電話を切るも、気持ちの整理がつかない。
あいつらにも報せなきゃ、と一人はTwitter、一人には電話、もう一人にはメールで連絡した。
そこまですると、通夜にだけでも参列して顔を見なけりゃ後悔する。そう思って上長に午後二時間休を申し入れる。
昨日は夜中一時まで時間がない人が足りないといった口で休みを欲しいというとあっさりとOKが出た。
あとは出向先の担当の方にお願いし、どうにか時間を作った。
おりしも日本列島に爆弾低気圧が襲いかかってるこの日、交通手段が電車しかない俺は時間と頭の中の路線図を駆使してどうにか東武線に乗り込む。
立っていた時はこらえられたが座って一息つくと涙があふれてきてとまらなくなった。声を殺して泣いた。
しばらくして落ち着いたところで彼のTwitterアカウントにメッセージをいれる。
もうすぐ着く。今日会うのが最後になるけどカンベンな。ヤツに会ったらよろしく伝えてくれ
仲のいい二人だった。呼ばれたのか、会いに行ったのか…
去年の弔辞で会いにいくのはもう少し先だっていってたじゃねえか
そういったら、きっと しゃあねぇじゃん、っていうんだろうな。
そんなことをいろいろ思ってるうちに閉じ込めにあいながらの電車旅も終わり、弟くんの運転する車で斎場へ向かう。
線香をあげて顔を見せてもらう。苦しそうでないことでほっとした。顔を見ていると涙があふれそうになったが現れた他の友人達の顔を見てこらえた。
お清めをいただき、電車が気になり中座させてもらう。
最後の挨拶。やっと現実になった。受け入れたんだと思う。もう棺の中で彼は動かないんだと。それともこれは通夜だからなのか…そういえばヤツが火葬される前に霊柩車に乗る時が一番別れが辛かったな…まだいる、その気持ちは断ち切れていないのかもしれない。
友人の一人に駅まで送ってもらい帰路につく。
一期一会。最後に会ったのは去年の10月か。
いろいろ、ありがとう。今度会う日まで。またな…